2012年のInternet Explorer 6の日本国内シェア

Internet Explorerのバージョン6といえば、Windows XPに同梱されていたブラウザということもあって有名である。
正確に言えば「有名」というよりも、パソコンに最初から入っているので何も考えることなく使い続けている。という人が大半だろう。

私個人の主観で言えばInternet Explorer 6はその処理能力の低さ、セキュリティホールの問題、Web標準への準拠度などの観点から「クソブラウザ」、または「うんこブラウザ」という認識しか持っていないが、あれでもリリース当時はそこそこ愛されていたブラウザだったのかもしれない。

Internet Explorer 6のバグの例

Internet Explorer 6はWeb標準への準拠度が低いと先ほど述べたとおりレンダリングに関するバグはとても多く、実際にWebサイトを制作していて最も影響を受けやすいバグは以下のあたりだろう。

ボックスモデルのバグ
Internet Explorer 6ではwidthやheightにpaddingやborderの値も含めてしまう。
マージンが2倍になってしまうバグ
Internet Explorer 6ではfloatした方向にmarginを設定すると、その値が2倍になってしまう。
ブロックレベル要素に対してのセンタリングのバグ
Internet Explorer 6ではmargin:auto;が適用されなく、ブロックレベル要素をセンタリングしたい場合はなぜかtext-align:center;で適用する。
hover擬似クラスのバグ
Internet Explorer 6ではhover擬似クラスはa要素だけにしか適用できない。

今となっては、「なんでこんなにバグを残したままリリースしたのだ!?」と言いたくなるほどの酷さである。
この影響で、私個人のTrident(Internet Explorerに搭載されているレンダリングエンジンの名称)の印象は今でもとても悪い。

いよいよInternet Explorer 6とさようなら

2012年におけるInternet Explorer 6日本国内シェアは、私が先ほど調べたところによると5パーセント以下、4月の時点では2.79%という記事が見つかった。→ ソースはこちら

かつては50パーセント以上のシェアを誇ったInternet Explorerも近年のブラウザ戦争の影響や、今年に入ってからWindowsの自動更新の項目の中にInternet Explorerのアップデートも含まれるようになったために、バージョン6のシェアは急激に低下したものだと思われる。

私も以前はWebサイトを制作する際、すべてのページに対してInternet Explorer 6のためのCSSハックを使ったり、バグ回避のために無駄なHTMLソースを追加で記述したりとかしていたが、最近はもうInternet Explorer 6は無視して制作することにしている。
そのほうがHTMLソースがより無駄なく、より美しくできる場合があるので、とても自己満足度が高い。

さらに、Internet Explorer 6は透過pngに対応していないため、透過画像を使用する際に非常に神経を使う。
今までは透過画像を使用するのは可能な限りgif形式に変換したり、場合によってはDD_belatedPNGのようなスクリプトを使用したりして乗り切ってきたが、最近はもうそれもしない。

事実、そのようにして制作したページをInternet Explorer 6で見てみると、レイアウトから画像すべてがぐちゃぐちゃになっていたりするが、もういいでしょう。
Internet Explorer 8あたりにアップデートしてくださいとしか言えない。

多くのWeb制作者を苦しめてきたInternet Explorer 6であるが、そのクソ仕様のせいもあって第2次ブラウザ戦争が起き、その後Internet Explorerはかなりのシェアを失うことになったのは周知の事実である。

最近では後発ブラウザであるChromeにシェアを抜かれたというニュースも流れ、その凋落ぶりは近年のNTTドコモを連想させるものがある。
私個人としてはChromeが特別使いやすいとは思わないが、FirefoxOperaのような優秀なブラウザも普及してくれたことはとても喜ばしく思っている。

Internet Explorer 6には安らかに眠っていただきたい。
もう関わりたくないよ。