相棒season13の最終回の脚本が酷い件

相棒13最終回
あまりテレビを観ない私だが、昔からの習慣もあって相棒を毎週観ている。(各画像はテレビ朝日公式サイトから借りました)
Season1からリアルタイムで観てきたわけではないが、DVDなどで遡って観ているのですべての話を観ているのではないだろうか。
その立場から言わせてもらうと、先日放送されたSeason13の最終回はとにかく酷いの一言に尽きる。
観終わった時に、

なんだこれ。

と思ったぐらいだ。
ネットのニュースでも話題になっていたのでストーリーのネタバレをしてもいいと思うが、成宮寛貴演じる甲斐 享(主人公の相棒)が2年前から起きていた連続暴行犯の犯人であったという内容だ。
ハッキリ言って脚本が悪い。
ファンを完全に裏切っている内容である。(もちろん悪い意味で)

具体的な酷い点

相棒最終回のシーン1
まず、「甲斐 享は正義感溢れる純粋な若い刑事」という設定が最初からある。
3年前の初出演の頃からそのような設定のキャラクターであるのに、今回の最終回だけはその設定がどこかに行ってしまったのかというぐらい悪そうである。(発言や表情など)

しかも連続暴行の動機もたいして無い。あやふやである
「病気の彼女のため」とか、「生まれてくる子供のため仕方なく」とかだったら視聴者もまだ納得もできただろう。
「ネットでの賞賛が心地良かった」とかバカか。
そういうキャラ設定や伏線など今まで全くなかった。

成宮寛貴は悪くない。人気が出たシリーズに主演級で迎え入れてもらった立場上、脚本に口は出せないだろう。
脚本家がバカだ。

それに対し、主人公である杉下 右京はその天才的な能力から、ほんの些細な手がかりも逃さず真実を暴く設定のキャラクターである。
その犯人がたとえ警察関係者であったとしても容赦なく真実を暴くがゆえに、出世できずに窓際の部署にいる。そういう設定だ。

それなのに2年も前から自分の最も身近にいた人物(甲斐 享)の犯罪を見落としていたということは設定上ありえない。
もちろん、「自分の相棒だから見て見ぬふりをしていた」ということは設定上絶対にない。

過去のストーリーまでも台無しにした

上記のような内容から言えるのは、今回の内容はSeason1からの過去シリーズの設定や流れを台無しにするクソ脚本であると言わざるを得ない。
今回がこのような内容のストーリーだったことで、過去のストーリーまで台無しにしている。

Season13のストーリーの中には甲斐 享が「不本意にも容疑者を死なせてしまったことで激しく後悔し苦悩した挙句、辞職届まで提出する」という話がある。
この話に限らず、甲斐 享が純粋な正義感から感情をあらわにするシーンというのはたくさんあった。

しかし、そのような話は今回の最終回のせいですべて台無しである。
もう感情移入して見れるものではない。
今後、Season13の再放送を見た時には「お前ダークナイトじゃねえか」と思ってしまう。

若さゆえに思わず手を出すシーンもあったりしたが、そんなのは亀ちゃん(2代前の相棒)もたまに殴ってたし、神戸くん(1代前の相棒)も殴るまではいかずとも掴みかかることぐらいはあった。

とくに甲斐 享の場合は前述2人の相棒よりも年齢的に若いこともあり、これまで「事件解決を通して刑事として・人間としての成長」を描くシーズンであったとも言えるだろう。
それが暴走して連続暴行犯になる(なっていた)ことなど、これまでの設定上ありえない。
前述した「ネットでの賞賛が心地良かった」という発言も矛盾がある。

相棒最終回のシーン2
今回の最終回に関してはストーリーにひねりがないとか、細かなことを言えば他にもあるが、本当に酷い内容であった。
よくこれが撮影から放送までたどり着いたなと思う。
誰か止めなかったのか。

もう一度言わせて

最後にもう一度言おう。

ただ、ただ、クソだ。

ここで誤解されないように申しておくと、私は相棒シリーズのファンではない
これまでは「ファンだった」かもしれない。
でも今はファンではない。これは断言する。
こんなクオリティでリリースするものをファンなどと言ったら私の見識が疑われてしまう。
ここはくれぐれも誤解しないでいただきたいと心から願います。